眩しいぐらいに晴れた空は苦手だった。

車から降り、校舎に足を踏み入れると副会長の斑鳩と玄関で鉢合わせた。
彼は相変わらず無表情で、抑揚の無い声で挨拶の言葉を口にする。

全校集会の準備のため、斑鳩も早めに登校したのだろう。


「このまま生徒会室へ行かれますか?」

「そうね、そうするわ」


教室へ行く程の用事もない、そう思って私は足を生徒会室の方へ向けた。
斑鳩が黙って私の右隣を歩く。

 
まだ人のあまり登校してきていない校舎に、二人の足音が響いていた。
遠くから部活の朝連の声はするものの、この校舎はとても静かだ。

 
生徒会室もまだ誰も来ていないみたいで、鍵がかかっていたが斑鳩が鞄から鍵を取り出し開けてくれた。
どうやら昨日のうちに借りておいたらしい。
本当、気の利く補佐だ。


 
日差しが入り込んで余りにも眩しかったので、私は薄い白いカーテンを引く。
この部屋は副会長と書記が綺麗に掃除をしてくれているので、不思議と埃っぽさがなかった。
 
窓を開けようかとも迷ったが、風で資料が飛んだりするのも嫌なので閉めたままにしておいた。