再度、力を込めて剣を押し出し、その反動で僕は後ろに飛び退いた。

「どういうつもりだよ。」

『何が?』

「どうして手を抜くんだよっ!」

言いながら、また飛び掛かるが、やっぱりいとも簡単に止められてしまう。

『何故って?』

ゴブリンはにやりと笑うと、いきなり剣を振り払った。僕は後ろに吹き飛ばされ、手から離れた剣が、背後でかんからんと音を立てる。

「…っ!」

仰向けに倒された僕の顔を覗き込みながら、ゴブリンは信じられない言葉を口にした。

『息子を殺すやつなんていないだろう?』