「あぁ。平気だよ。」

また頭の中を覗かれた気がしたが、一瞬過ぎった自分の考えに、何だかバツが悪くて、何も言わずにおいた。

それに、そんなに目くじら立てる事では無いかもしれない。
僕と彼女は、兄弟…いや、二人で一人の様なものだ。



『シオン。向こうの方から雨が来る。』

「そっか。じゃあ、先に進んでも安全そうだね。」

僕は、木に飛び移り、落ちない様に注意しながら、ハンモックを外した。

「リュイ。乗せてくれる?」

『喜んで。』

リュイは、鼻からちろちろと炎を見せながら、微笑んだ。


深緑の肌に、黄色い目。
生き残った中では珍しいメスのドラゴン。

それが、リュイだ。