「決めた! あなた、私の部屋に来なさい」

「は……?」

「!? だめですっ」

 青年はガバッと立ち上がり、彼女の行動を遮った。

「いいじゃない。気に入っちゃったんだもん。あんたには勿体ないわ」

「だめです! ベリルは俺が見つけてきたんだ。絶対に渡しません。姉上はそうやって、いつも俺のお気に入りを奪っていく!」

「……」

 ベリルは2人のやりとりを呆然と見上げていた。

「ほらっ見なさい」

「うっ……?」

 レオナはベリルの腕をグイと引っ張り、立ち上がらせる。