「!」

 突然、後ろから優しく抱きしめられた。

「泣かないで、今は俺が支えるから」

「……」

 伝わる温もりは性別など関係もなく、彼は静かに青年の腕に手を添えた。

『殺めなければならない命がある』

 それに憂いて目を伏せる。

 いつか、私を必要としない時代が来るのだろうか……それは願い、それは祈りだ。