「紹介がまだだったな。俺はカシアス」

「カシアス……カシアス・アーロンか」

 ぴくりと反応し、その存在感を際立たせる。

「!」

 表情が見えないレオンにも、彼の怒りが見て取れた。

「ほ、俺を知っているとみえる」

「誰……?」

「殺しを専門とする傭兵だ」

「え!?」

 青年の問いかけに応えたベリルの瞳がさらにさらに厳しくなる。

「随分と殺し回っているようだな」

「何を怒ってるんだ? やってることはお前と同じだ」

「同じにしてもらっては少々困るのだがね」

 静かだが、その声にえもいわれぬ怒りが感じられてレオンは息を呑んだ。