皇妃候補は麗しく

「いるのは解っている」

 すると──

「!」

 中庭が見える窓が静かに開かれて、ゆっくり入ってきたのは先ほどレオンを襲った人物だ。

「お前は!」

「勘が良いな」

「衛兵! えい……っ」

 青年が兵士を呼ぶのをベリルが無言で止めろと示した。

「どうして……」

「また逃げられるのがおちだ」

 侍従の恰好をしているが、その鋭い眼差しは戦いをくぐり抜けてきた者の目だ。