皇妃候補は麗しく

「何もしないから、このままでいさせて」

 レオンはベリルの温もりに浸った。

 やっぱり諦めたくない……ベリルを好きになったのは衝動でも気まぐれでもない。

 彼に見つめられて、そのエメラルドの瞳に吸い込まれそうになった。

 何もかもを見透かされているような、何もかもを許すような……そんな愁いを帯びた優しい瞳。

「このまま、君を閉じこめたい」

 耳元でささやくように青年は発した。

 鏡に映される青年の表情には、少しの狂気が宿していた。

「!」

 しかし同時に、映っているベリルの瞳に毒気(どくけ)を抜かれる。