皇妃候補は麗しく

 彼の表情からして落ち着いているようにも見えるが、閉じた瞼(まぶた)がぴくりと動く度にドキリとする。

「運良く当たるとは相手も腕が良い」

「運悪くだろ……」

 溜息混じりにつぶやいた言葉に呆れながら応えるも、やはり少しでも何かしないとという気持ちが抑えられない。

「とっ、とにかく止血だけでも!」

「! 構うな」

 服を掴んだ青年を制止したが、彼の様子と服の状態に怪訝な表情を浮かべた。

「血が止まってる……もう?」