「!」

 そんな彼の目に入ってきたのは、サイレンサー(消音器)を取り付けた銃身だった。

「伏せろ!」

「えっ!?」

「何っ!?」

 ベリルは声を張り上げながら、扉の人影に駆け寄った。

 軽い破裂音が2~3度して、銃弾がレオンめがけて放たれる。

「きゃあぁ!」

「! なんだ?」

「レオン様の部屋からだ」

 レオナの叫び声で、外にいた侍女たちや衛兵たちがざわついた。

「ベリル!」

 拳銃(ハンドガン)を持った男と対峙しているベリルの名を呼び青年は見つめる。

 相手はレオンを狙うために必死だが、それは動きの予測も付けやすくなる──