「んー。家はどっちだったかなぁ?・・・っと」
狭い路地を抜けて大通りにでたボクは、見慣れないものたちに首を傾げた。
普段来ないエリアでのミッションはこれだから困っちゃうんだよね。
軽く足に力を込めて跳んで、民家の屋根に着地したボクは隣に建つビルの非常階段に難無く跳び移る。
カンカンカンと鉄製の非常階段を鳴らしながら、屋上にでたボクは見慣れない町並みをじっくりと眺めてみる。
迷子とかマジで笑え無いんですけど。
「ぉわ、妖猫のミケ!!」
「ふぇ?」
迷子の子猫ちゃんのもとへやって来たのは狼の皮を被ったか弱い羊さんでした。まる。
なんちゃって。
てか・・・・なーいすたいみんぐ♪
「波狼、なんて良いタイミングなんだ。ボクはいまちょっと感動したよ。」
「はぁっ!?」
ブンブンッと尻尾を振りながら抱き着こうとすると物凄く気味の悪いものを見るかのような顔で勢いよく避けられてしまった。
なんて失礼なんだ。
「げげっ。くそっ、気配消してんなし!誰だか分かんなかっただろ!!」
「なにそれ。ボクだと分かってたら来なかったみたいな言い方だね。」
「そりゃあ・・・・・・」
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