「う、うるひゃいっ!」
昔を知られている相手に言われると背中がむず痒くなる。
慌てて取り繕うようにして怒鳴るとボクは派手に舌を噛むはめになった。
・・・・そりゃもう盛大に。
お口の中は大惨事だ。
「み、魅稀が・・・・・噛んだ」
頼兎が目をシパシパさせながら今にも笑いだしそうな顔でそう言った。
屈辱だ。
屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱。
近くに落ちていたものを拾い上げて、大きく振りかぶってボクは勢いよく投げつけた。
頼兎の顔面に。
「ぶへぅあ!?」
「うっさい黙れバカウサギ!八回ぐらい死ねぇぇぇぇ!」
足元に落ちているものを一つ残らず投げつける勢いで、ボクは頼兎に飛ばしつづけた。
傍らでそれを見守る零一は何処か楽しげに微笑んでる。
止める気はないらしいので、少々ウザったいけど、じじ(ばば?)くさいあの笑みは放置だ。
「待っ……グェッ!ちょ……グホッ!魅稀、落ちつ……ブェア!?」
「黙れバカウサギ!」
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