Memory's Piece


うーん。としばらく悩むそぶりを見せた頼兎は「頼れる仲間・・・かな」と言った。


「魅稀は思ってなくても、俺はそう思ってる。・・・だって俺、魅稀が居ないと何にもできないし。」


「敵と沢山戦って気づいた。俺はいつも助けて貰ってばっかだ。」


言葉を選びながらボクを真っ直ぐに見つめてそんなセリフをはく頼兎にボクは軽く驚いた。

まさかそんな風に思っていたとは。


「そう♪なら安心ね」


頼兎の言葉に満足したのか零一はボクを振り返って相好を崩した。

おばあちゃんが孫を見つめるような、そんな目だ。

はっきりいってキモイ。

でも嫌じゃない。


「ふんっ。バカうさぎのくせに生意気だよ。」


照れ隠しにイーッと口の両端を人差し指で引っ張って歯を剥くと、驚かれた顔をされてしまった。

なんなんだ、その顔は。


「ヤバイ。魅稀が女の子に見える」


軽く赤くなった顔を隠す為かボクから目を逸らして頼兎が呟いた言葉にボクは思わず脱力した。

妙なところでズレてるヤツだ。

というかどこにそう思う要素があったのか。


「ほんと、珍しいもの見れたわ」


零一までこんなことを言う始末だ。


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