「あっはっはっ!嫌われてやんの!!」
「喧しい!!私はレイよ。よろしくね♪見たら分かるとおり正真正銘の・・・・」
「男よ♪」
「バカネコっ!乙女だっていつも言ってんでしょ!」
言葉を遮って零一の真似をしてポーズを決めならがら言うと、バシーンッと後頭部を殴られそうになった。
勿論避けておいたけど。
爆笑するボクに最初は怒っていた零一も怒る気が失せたのか深く溜息をついて地べたに座り込む頼兎に手を差し出した。
「嫌じゃなかったら手貸してあげるから立ちなさい」
「?『嫌じゃなかったら』?」
「気持ち悪がってアタシに触りたがらないヤツらがいるからよ」
躊躇いもなく零一の手を取って立ち上がった頼兎は小さく笑って「別に俺は気にしないっす」と言った。
「ありがとう。貴方、名前は・・・・頼兎クン?アレとの関係は?」
「あっ、ハイ。頼兎っす。魅稀との・・・・関係?」
未だに腹を抱えて笑うボクを指差して「アレ」呼ばわりした零一は、首を傾げて静かに尋ねた。
零一の質問に頼兎がなんて答えるのかが気になってボクは笑うのをやめて耳を澄ませた。
ボクは『ボクにとっての頼兎』は何なんだろうかと自問自答したことが何度もあった。
答えは出なかったけれど。
.



