だから知られる前に、知られてしまう前に全てを消し去らなきゃいけない。

罪は全て消し去る。

それがボクに課せられた罰だから。


「そう。アンタも相当頑固ね。でも、ここは結局はゲームの世界。夕妃をここで殺しても結局は何も変わらないわよ?」


「いいんだよ、別に。だってボクは一生この中で生きていくんだから。この世界から夕妃がいなくなればそれでいい。それに・・・・・」


「それに?」


「いや、やっぱいいや。憶測の域を越えない仮定の話をしても別に何も変わらないしね。でさ、零一には全部見届けて欲しいし協力してほしいからついて来て欲しいんだけどどう?」


あいまいにはぐらかして全く違うことに話を逸らせると不服そうに零一は頬を膨らませた。

なんというか、仕種がいちいち乙女っぽい。

そう言ってやると


「当たり前でしょ。アタシは世界のどんな女よりも可愛いんだから」


と踏ん反り返られてしまった。

訂正。優しくて暖かいという印象に子供っぽいという印象を付け加えなきゃだ。


「しょうがないわねアタシもついていくかな。アンタが心配だし。」


「嘘だ。ボクじゃなくて波狼が目当てだろ」



「あら、よく分かったわね。ま、アンタがいなくなれば清々するわ」


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