Memory's Piece


桃亜姉とほのぼの空気を漂わせながら談笑していたら、頼兎が散り始めた人の群れの中を青ざめた顔で凝視していた。

明らかに様子がおかしい。


「・・・・・・・頼兎?」


「・・・・・ん?」


「何、固まっちゃってんの?」


「・・・・あ、いや、別に」

打ち所が悪かったのかと少し心配して聞くと、露骨に言葉を濁されてしまった。

視線まで逸らされて、なんだか調子が狂う。

問い詰めてやろうかと頼兎をじっ・・・と見ていると、ふいに慣れた気配が近づいてきてボクは振り返った。

近づいてきたのは波狼だ。

ボクを見て明らかに驚いたような表情を浮かべている。


「あ、波狼さん!」


人ごみからひょいっと抜けだしてきた波狼は、声を上げた頼兎に軽く手を振って、ボクの隣に立つ桃亜姉にペコリと軽く会釈をする。


「魅稀。」


「やっ、ハロ。」


尻尾を振って見せると、波狼は少しだけホッとした表情を浮かべいつものようにボクの発言に訂正をして、桃亜姉を見る。

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