見当違いな方向に勘違いして大きな瞳に涙をためる桃亜姉に焦って訂正する。

そんなつもりはない。毛頭ね。

諸事情により、このゲーム世界でも誰も知らないこのエリアから桃亜姉はボクが知る限り一度も出たことがないはずの桃亜姉を思いやっての言葉だったんだけど。


「あぁ、大丈夫よ。私には斑と揚羽がついてるもの。それにみーちゃんもいるし。」


「うぅ~・・・・・。」


嫌だ・・・って言っても多分、通じない。

というか多分泣かれてしまうだろう。


「・・・どうしても行くの??」


「行くわよ。みーちゃんが行かないって言っても行くわ。」


なんだか話が変わってるような気がしないでもない。


「分かったって。行けばいいんでしょ~もうっ!!」


「ふふっ。みーちゃん、ぎこちない空気って言うのは放置すればするほど厄介な物にしかならないんだから放って置いちゃだめよ。」


「はぁ~い。」

ぶぅ~。と頬を膨らませて返事をすれば、良い子ね。と桃亜姉はボクの頭を撫でてくる。




思いっきり子供扱いだね。桃亜姉。

呆れつつもそんな扱いが嬉しかったりしてボクは尻尾の毛をブワリと膨らませたのだった。

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