少しだけ、心の穴が塞がった・・・・気がする。

可愛いものは大好きだ。サフも例外ではない。


「サフ、サンキュな。お前がいてくれて助かったよ。」


思わずサフを胸元に引きよせて強く抱きしめていると、突然、ドアが開いた。

何の前置きもなく、突然だ。


「波狼さん、いますー??・・・って・・・・・え゙っ・・・。」


のほほんとした声は、瞬時に凍りついた。

三秒程生命活動を停止したのではないかと疑いたくなるほどに全ての動きを止めた後、何故か頼兎はドアを一度閉めもう一度開けた。

そして、もう一度硬直する。

どこかからピシッと音がした気がした。


「ん・・・・??お帰り、頼兎。」


ドアノブを握ったままもう一度硬直した頼兎は、俺とサフを凝視したまま突っ立っていた。


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