その瞬間、闘技場はしんと静まり返る。 一歩、また一歩と姫の元へと歩みを進めていく… そしてちょうど目の前まで言った時、俺はゆっくりと姫の前に跪いた。 「見事…勝利を納めて参りました。これも、姫君のお声があったから…」 そう言うと、俺はゆっくりと顔を上げた。 涙でぐしゃぐしゃの顔で俺を見下ろす姫… 俺は思わず笑みがこぼれた。 ああ…俺は昔からこの方に惹かれていたのだと、改めて思い知った。 「姫…お慕いしております。ずっと…ずっと昔から…」 「ヴェネット…」