わぁぁぁ… しかし、僅かながら遅れてしまい剣の先は男の頬を掠めてしまった。 「貴様ぁ…」 自分の頬に触れて血が出ているのを確かめた男は、怒りに身を震わせている。 やってしまった… 俺はゆっくりと立ち上がる男を見つめながら必死に心を落ち着かせようとした。 後はようなし… こんな男に姫を渡したくない… 本気でそう思った。 しかし、俺は所詮騎士にすぎないんだ… 姫を幸せにする事なんて… できやしないんだ…