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「はぁ…」



いよいよ明日、あの男との勝負の日…



俺が負ければ姫はあの男と結婚する。



「はぁ…」



もう一度ため息をつくと俺はベッドに腰掛けた。



今日は一日仕事がほとんど手に着かなかった。



自分の中にある気持ちの整理がつかず、何度も何度も姫のもとへと行こうとしたが結局俺にそんな度胸はなかった。



「明日、か…」



そうポツリと呟くと、そのまま体をベッドへと預けた。



このまま目をつぶって寝てしまおうか…



俺がそんな事を考えているとトントンと扉をたたく音が聞こえてきた。



こんな夜に誰だろうと思いながら、俺は重い体を起こすとゆっくりと扉を開けた。