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「今頃弾けたって、もう遅いぞ」
教室の入り口に、仁王立ちの早乙女教授。
教室の床は木屑だらけで、周りには作りかけの弦楽器の胴版が、所狭しとかかっている。
その真ん中に卓也と春樹。
・・・そして、なぜかネコがいる。
「お前の退学が正式に決まった。一両日中に荷物をまとめて、寮から出て行きなさい。 そこにいる猫もだ。それから…君は弦楽器制作コースの阿南春樹か?」
春樹が、服についた木屑を払いながら立ち上がった。
「この間君の作品を見せてもらったが、あれはバイオリンに対する侮辱だ。亡くなったお父さんもさぞ無念だろう。友達の心配をする前に、自分の心配をしなさい」
春樹は言い返す言葉を探すが、見つからない。
悔しそうに床を見る。
「・・・」
そこに安川が入ってくる。
「早乙女教授、ちょっと待ってください。わたしからもお願いして…」
「決まったことだ、もう変えられんよ」
早乙女はそういい残して教室から出て行った。
「今頃弾けたって、もう遅いぞ」
教室の入り口に、仁王立ちの早乙女教授。
教室の床は木屑だらけで、周りには作りかけの弦楽器の胴版が、所狭しとかかっている。
その真ん中に卓也と春樹。
・・・そして、なぜかネコがいる。
「お前の退学が正式に決まった。一両日中に荷物をまとめて、寮から出て行きなさい。 そこにいる猫もだ。それから…君は弦楽器制作コースの阿南春樹か?」
春樹が、服についた木屑を払いながら立ち上がった。
「この間君の作品を見せてもらったが、あれはバイオリンに対する侮辱だ。亡くなったお父さんもさぞ無念だろう。友達の心配をする前に、自分の心配をしなさい」
春樹は言い返す言葉を探すが、見つからない。
悔しそうに床を見る。
「・・・」
そこに安川が入ってくる。
「早乙女教授、ちょっと待ってください。わたしからもお願いして…」
「決まったことだ、もう変えられんよ」
早乙女はそういい残して教室から出て行った。



