「気がつかずについてきたのかよ?」
「面白そうだったからな。」
お前の行動力には感銘を受けるな。
「とりあえず、父上いわく『大和の国の兵』は貸せないという話だからな。」
「は?」
何を言っているのだ?といわんばかりのイヌ吉の顔。
お前は・・・怪力なのはいいが、頼むからもう少し頭を鍛えてくれ。
これからの時代、多少の頭も必要となるぞ。
「父上は、『他の国の兵』は貸せないとは申してない。だったら、結果的に他国の兵を借りれば良い・・・それだけの話だろう?」
「・・・・・・お前、頭いいな!」
王子に向かって、『お前』って平気で言える辺り、本当に大物の素質持っているよ。
「そこで、『そんな、話うまくいくかよ!』って言わないあたりに、俺はため息が出るよ。」
「心当たりがあるのだろう?」
そういうところの頭は働くんだな。お前は・・・。
「別にあるわけではない。これからの季節、どこも人手が欲しいからな。」
「田植えの季節だからな。種まきもせねばならんし、川に魚も戻ってくる。くまも冬眠から起きるからな。忙しい季節だ。」
分かっているじゃないか。
むしろ、それを知りながら、ついてきたことに驚きだよ。