「―― 僕、院長呼んでくる」 子供の中の一人がそういって、建物の中へと入っていく。 槝木もゆっくりとした足取りで歩き出した。 もうだいぶ体調も落ち着いたようだ。 もう帰ろうか、そう思ったときだった。 建物の中から女の子があわてた様子で飛び出してきた。 あの子だ。 入学式のときに槝木と一緒にいた「あまね」ちゃん。 そうか、だから「兄弟」って…。