三人で玄関へ向かうことになり、鍵と懐中電灯を手に廊下をたどる。


「もう外はこんなに暗かったんですね」


紗絵子は窓の外を眺め、言葉を漏らした。


「冬ですからね、日が落ちるのは早いですね」


なんとも落ち着いた雰囲気の徹は今年40歳独身だった。


そんな会話を耳に愛華は二人の後ろを着いていった。


教員専用エレベーター。


今日何回乗っただろうか。


そんな事を考えて二人に続き乗り込んだ。


男性教員が一階ボタンをそっと押す。


またさっきみたいに赤い光の階表示をじっと眺める。


はぁ、デジャブ。


そう、一階を表示してドアが開く。


と思ったのに、表示は地下一階に変わった。


B1.


え?この学校に地下なんて無いよね。


そのまま、視線を下に落とす。


さっきまでは無かったはずの地下一階のボタンが点滅していた。


「なんで…」