壮一は教室の奥に出来た死角に。


彰は掃除ロッカーへと身を潜める。


そして蓮は教室の廊下側の壁に置かれた、人が二・三人程入れそうな棚に隠れた。


高さがあまり無いため身を丸めなければならなかった。


蓮は心の中で溜め息をついた。


隠れる場所失敗したかな。


それより、今は見つからないことだけを祈ろう。

程なくして足音の主が教室の前に訪れた。


何か話し声が聴こえる。


女の声?


棚の内部から廊下側に耳を澄ませる。


蓮はその声に聞き覚えがあった。


愛華?


もう一人の人物は分からないが、毎日のように一緒にいる彼女の声を間違えるわけはなかった。


なんでここに?