怒りをぶつけ合う事でしか彼らの不安を抑える事が出来なかった。


苛立ちは増し、次第に声の大きさをコントロールするのを忘れていた。


ここで得体の知れない何者かに居場所を知られてはいけない。


些細な事が命取りになることを知っていた筈なのに。


「いい加減にしろよ…俺だってできるなら全員で帰りてーよ、でも優先順位ってのがあるだろ…もっと状況考えてくれよ」


蓮の言葉でやっと声を荒げる者もいなくなった。


しかし、場を静まり返したのはそれだけではなかった。


「足音が聞こえる」


「…あいつか?」


「この足音は何か違う気がする、とりあえず隠れよう」


三人は先ほど教室を見回した時に、隠れられそうな場所を見つけていた。


念のため見つかった時の事を考えてか、それぞれ違う所に隠れることにした。