紙切れを二人で見ていると、またもやあの足音が聴こえた。


タッタッタッタッタ――――


タッ―――


足音はこちらに近づいているみたいだ。


どうするべきか立ち尽くして居ると、紗絵子は指ですぐ近くの教室を指した。


二人は足音を立てないように慎重に移動する。


教室のドアは見開き状態で、音を立てずにに入る事が出来そうだ。


ここは隠れる方が先決だと考えたのだ。


心のどこかで、近づく者が危険だと言っているようでならなかった。


教室に入っても尚足音は聴こえていた。


タッタッタッタッタ


恐怖心で声が洩れてしまわぬよう、必死で口元を抑え固まっていた。


だから、二人は暗闇で潜んでいる何かに到底気付くことは出来なかった。