「私達の目的は出口の階段を探すことよね、さっきの話は忘れて頂戴」


この状況で、より不安にさせてしまった自分を悔やみ、もう余計な事は考えまいとした。


「そうですね、階段探すことに専念しましょっ」


無理やり笑顔を作り、愛華は平気な自分を装った。


教室の中まで入ることはしないで、廊下に沿って歩いていく。


途中、教室がある方とは反対側にトイレを見つけたが薄気味悪く中まで確かめる気にはならなかった。


そしてそこから少し進んだ辺りで二人は足を止めた。


「ここから分かれ道みたいね」


「ここが廊下の中間点でしょうか?」


「どうかしら、この大学の一階分の範囲で言ったらそのくらいの距離には等しいかもね」