暗闇をライトの光が照らす。


少し進んで分かったのは廊下、そして均等な間隔を空けて教室があること。


各教室には学年と組が分かる室名札があり、造りはまるで小学校のようである。


「ここ…大学よね?」


「でも、大学とは違うような…昔の木造校舎みたいですね」


「そうね、でもどうしてこんな場所が」


紗絵子はそう云うと、立ち止まって愛華に向け人差し指を口元に持って行く合図をした。


不思議な面持ちで愛華は息を潜める。


どうしたのだろう。


そう思い、紗絵子の顔を見た時だった。


……タッタッタッタッタ


!?


廊下を駆ける音が聞こえた。


同時にこの空間に緊張感が走った。