おなか空いたし早く帰りたいなー。


愛華のその気持ちが足を早めた。


教員室に着くと、立ち止まってノックをする。


ドアは開いていて、すでに部屋の中は見えていた。


教員は何人か残っている。


人が居ると言う状況にホットした。


「失礼します」


愛華は近くに居た教員にレポートをお願いすると、足早に立ち去った。


このまま走ればバスに間に合うかな。


廊下の先にあるエレベーターに乗り込む。


本当は西側のエレベーターは教員専用だったが、この時間利用者なんてそんなに居ない。


生徒用のエレベーターまでは距離があった事もあり、迷わず閉ボタンを押した。


一階、ボタンの明かりはそこだけが光っている。


狭い箱に愛華一人。


特に閉所恐怖症などでは無いが、この時間エレベーターに自分だけというのが嫌だった。


だからと言って、見知らぬ人が乗ってるのもそれはそれで嫌。