さくさくと音を鳴らしながら雪の上に足跡を付ける。


愛華は男の子を見掛けた小屋の前で足を止めた。


「あそぼー、どこに行ったの?わかった、かくれんぼだね」


そう言って、そーっと扉を引いた。


中は真っ暗で何も見えない。


愛華は子供ながらに恐怖を感じたのか足を進めるのを躊躇った。


そこに、先程の男の子が現れる。


何も言わず手招きをしていた。


不思議と男の子の姿がはっきりと見えた。


この暗闇にも関わらず。


今思えば、あれは霊というモノだったのかもしれない。


幼い愛華はソレが何かなんてわかるはずがない。


誘われるがままに歩み寄った。


男の子は異様に白くそれが光のようで、まるで暗闇が一気に白い世界に変わったかのように思えた。