俺は彼の言うことを無視して、脚本に目を通した。

今度の文化祭で俺達、演劇部は戦国時代の物語を公演する。

俺が演じるのは、小国のお姫様。

彼はお姫様の敵国の息子。

二人は政略結婚で結ばれるも、二つの国は争いを始めてしまう。

それでも二人は添い遂げようとして…。

「…このラスト、本当の戦国時代だったら無しだったな」

「そうかな? 表に出ないだけで、案外アリだったかもよ?」

彼は笑いながら言った。

…演劇部の中で、1番のイケメンだと言われている彼は、だが演技の方はイマイチだと…一部から言われている。