走り出しながら言う由季ちゃん。 雪乃は、そんな由季ちゃんの後ろ姿を見送って、うつむいた。 「あ~涙とまれっ!……………………よし。」 空に向かってニコッと笑い、雪乃は帰路をまた歩き出す。 由季ちゃんが駆けていった方とは、まったく違う、逆方向。 由季ちゃん…由季ちゃん。 ――その日の夜、いつもなら届く[おやすみ。]のメールが、由季ちゃんからなかった。 雪乃が[おやすみ。]てメールしても、返信はなかったんだ。