ふと、アイナの視線がエセルをとらえた。 そしてどこか悲しそうに俯き、やがて前を向いてイエロバードに何か囁くと、南へ飛んでいった。 ……見間違いだろうか。 エセルは首を傾げた。 もしかしてアイナは――。 そう思っている間にもイエロバードは物凄い速さで、遙か遠くにある山を越え、南に消えていった。