君色片想い


「・・・な」


「んー?」


「葉菜っ!」


「はいっ!?」


誰かに名前を呼ばれてあたしは跳ねるかのように飛び起きた。


「おはよう。あれ?」


教室を見渡しても誰もいない。


「おそよう。もう授業終わったよ?」


「で、デスヨネー」


「ほら行くよ」


まだ覚醒してないあたしをおいて、万里香は教室から出て行こうとする。


「えっ!ちょ、待ってよぉ!万里香さまぁ!!」


あたしは慌てて筆記用具やら何やらをバッグにつめて、万里香の後を追いかけた。