Boys Kissシリーズ・『はじめてのキス』

「ごっゴメン! ケータイ、学校に忘れてきたかも。悪いけど、このメモに書いて…」

そう言ってこちらを向いた彼に、オレは―キスをした。

ベンチに手を付いて、身を乗り出すようにして、彼の唇に触れる。

―『焼きスイートポテト』の味がする。

思わず笑みがこぼれる。

「…えっ? ええっ!」

彼はまた真っ赤になった。

慌てている間に、オレは彼の手からメモ帳とペンを奪って、ケータイのナンバーとメールアドレスを書き込んだ。

「はい」

「あっありがとう…」