Boys Kissシリーズ・『はじめてのキス』

声は弾んでいるのに、表情は複雑そうだ。

…まあオレと何としても繋がりが欲しいと思うのなら、妥協してしまうだろう。

いきなり恋人は…ハードル高い、のか?

思わず首を傾げてしまう。

「あっ、アレ? どこに入れたかな」

彼はカバンの中身を探っている。

けれど、気付いてしまった。

手が震えている。とても強く。

考えてみれば、今日はじめて会話をした。

そしてすぐに、告白。

言われた方はただ唖然とするだけだが、言う方はかなりの勇気が必要だっただろう。

そんな彼を見ていると…何となく、胸の辺りが熱くなる。