──パタッ そう言った瞬間、脱衣場のドアが開き成田が入って来た。 私はこんなにも不恰好な自分の姿を成田の前にさらしたくなくて、とっさに後ろを向いた。 後ろを向く前、一瞬見えた成田の顔は、怒っているわけでもなく、笑っているわけでもなく、無表情というのが適切な表現だった。 『おぃ、こっち向けよ』 でも成田の声はすごい低くて、なんだか怒っているような気がした。 私は成田の声の低さと怖さに怖じけずいて、おそるおそる成田の方に振り向いた。