成田の手は私のお腹に巻き付き、私は成田に抱えられた。 そのまま私はベンチに座らされ、成田も隣に座った。 手を離す直前、成田は 『逃げ出すなら縛り付けるけど、大人しく座るか、縛られるか、どっちがいい?』 「大人しく座る……」 しっかり釘を刺した。 座った途端、私たちの間には、重苦しい無言の時間が流れた。 成田がしゃべり出すのを待ってたら拉致がないと気付いた私は、意を決して話かけた。 「あのッ、」