この春、第一志望のこの高校に入学した私は、新学期そうそう恋をした。 私の恋した相手は隣の席の“来島[クルシマ]くん”っていう、地味で目立たない人だった。 今思えば、面食いの私が何故彼に恋したのかわからない。 でも、その当時の私は本気で、私はクラスの中で1番仲のいい友達、“アンナ”に相談していた。 初恋はなかなか上手くいかないってことは重々承知してた。 だからその──来島くんと付き合える、付き合いたいなんて図々しいことは望んでいなかった。