「じゃあ、それもしかして余ってるー?」 「あー、まぁ」 「じゃあさー、それ俺にくれない?」 「なんでですか?」 「俺さっき、女の子とぶつかっちゃってさー、弁当落としちゃったんだよねー」 あ……、それ私だ。 さっき人とぶつかったし。 せっかく成田の為に作ったお弁当だけど、捨てるよりましかな? ぶつかった責任もあるし。 「おいしいか分かりませんけど……どうぞ」 私がお弁当を渡すと、彼は屈託ない笑顔を見せて、お弁当を受け取り、隣に座った。