ガラガラ スタスタスタ おッ!来たか! 期待に胸を膨らませて顔をあげると、そこに居たのは、 「海里!久しぶり〜。アタシ、さっき彼氏に振られたの。 久しぶりだし慰めてよ。勿論、心も“カ・ラ・ダ”も」 男たらしの夏実だった。 俺はこんなヤツに会いたかったワケじゃない。 今俺の前にいるワケの分からん女が柚希だったらよかったのに。なんて思いながら、図々しくも隣に座る女の存在を無視していた。 俺が無視している間も夏実はペラペラと身の上話を一人でしていた。