☆爆発炎上ビジネス(1)

暑さやわらぐ夕刻も17時。喫茶店の厨房から焼き魚のにおいがしている。しまなみの魚介おいしいです。

店内は若い男女の観光客でにぎわっている。エプロン姿のハルヒっぽいまいらが、ぱたぱたとステンレスのお盆を持って走り回っている。
厨房の奥にいるゴツいまいらの父も、額に男の生き様を光らせて、忙しそうにフライパンをふるっていた。

でだ、彼らの座る丸テーブルにはタコと魚介のパスタ、シーフードカレー、グラスワインが2つ、そして初音ミクと渚カヲルのぬいぐるみが乗っているわけだ。これはひどい。
俺はいつも不思議に思いながら見ていた。なんでこの島を訪れる連中はみんなひどいんだ。

と、すっかり傍観者モードなわけだが、俺はこの時間になってもまだ喫茶店のカウンターで、ノートマシンのキーボードを叩いていた。デスクトップにはでかでかとヱヴァンゲリヲン式波アスカのポロリ画像が壁紙として採用されていた。

俺は自分のブログ日記にバリバリと、最近売れ筋の本やゲームなどの商品を張り付ける。
かつその商品をうまく日記のネタにしながら本日の記事を編んでいた。あみあみ。
で、本日のタイトルは、というと、

『エロゲーはプレイ時間が長すぎるからやる気が起きんのじゃ!日常会話もエロシーンもいらんからコアのストーリーだけ凝縮して発売し直せゴルァ!!』

にした。

送信ボタンをかち、と押す。本日の日記として公開された。
ぱん、ぱん。と液晶に向かって二拍。
「どうか派手に炎上してくださいっ!お願いしますっ!!」