「タカはみんなの前で堂々と、美穂が好き、なんて言ってくれないの。でも、先生はすごく堂々と、俺の直だからとか言ってくれる。真崎君もみんなの前にイチャイチャしたりするし……」



そう言われてみれば、タカはシャイなイメージ。


でも、逆にタカがそんなことをしたら、タカらしくないなって思ってしまう。




「倦怠期なのかも知れないね」



桃子は、天井を見つめながらそう言った。



「翼先生がさっきホテルで話してくれたんだ。前の彼女とは結構長く付き合っていて、結婚も考えたけど、突然倦怠期がやってきたって。倦怠期を乗り越えたら、結婚していたかも知れないけど、翼先生は忙しくて、向き合うことから逃げたんだって」




翼先生にもそんな過去があったんだ。



私と先生は、波乱があったり秘密の恋だったりしたおかげで、倦怠期なんて全くなかった。



教師と生徒として出会っていなくても、先生とは倦怠期なんて訪れないのかも知れない。




だって、先生はいつも私をドキドキさせるし、新しい発見をくれるんだ。





全部、先生のおかげなんだ。