美穂は、この旅行に来てからタカに対して少しイライラしていたんだと話してくれた。



「私、直がうらやましかった」



美穂とタカの喧嘩の理由に、私と先生のことが関係していると思うと、複雑な気持ちになった。




私も先生もいつも通り仲良くしていただけだけど、そのことで美穂に悲しい想いをさせていたのかな。





ゆかりもいつも私をうらやましいと言うけど、結局は情けないたっくんがいいんだよねって言う。




「先生と比べちゃう気持ちはわかるよ。でも、先生は特別なんだよ!」



あゆみが美穂の腕を掴みながら言った。



美穂はタカが注文したウーロン茶を一気に飲んだ。




「いつもふたりで遊んでたいから気付かなかった。今日みんなのこと見てて、すごくうらやましくなって、私だって彼氏いるのにどうしてうらやましいんだろうって……」



「私は美穂とタカがうらやましいけどな。慎司なんて将来のこととか全然考えてなさそうだし、今楽しければそれでいいって感じだもん」




何も言えない私の分まであゆみが話してくれた。