夏なのに、汗をかかない気温。



風がほんのり冷たくて、優しい匂いがする。




「っていうか!!俺、孤独なんだけど!!」


要君は想像以上に寂しいらしい。


「やぎがいるからいいじゃん」


「そうだよ。さっきも牛に見つめられてたし!」


みんなが要君をからかう。




「どうせ、俺はひとりだから。みんな嬉しそうに手繋いだりしてさ」



「俺がいるだろ~!!」



真崎君が、要君の肩に手を回す。


すかさず先生も便乗して。


「そうだよ。俺もいるだろ~。寂しくないだろ?」



要君の腰に手を回し、要君は動揺して逃げ出した。