牧場入口にいた係員さんに頼んで、4人で写真を撮ってもらった。



ぐいっと肩に手を回して引き寄せてくれた先生に、ドキドキしちゃった。




「おう!!和人!!」



グレーのつなぎの服を着た力さんが手を振っていた。




「お~!!力!!久しぶりだな。また太っただろ?」




先生は、力さんの肩をガシっと掴んだ。


先生の言う通り、少し太ったようにも見える。


相変わらず、愛嬌のある笑顔。


ホッとする雰囲気の人。




「初めまして。飛田力と言います。和人の昔からの友人です。あれ?卒業旅行って聞いてたけど……」



力さんは、翼先生を見てちょっと不思議そうな顔をした。



「あははは。この子の彼氏なんだよ!!」



サラっと先生はそんなことを言ったんだけど、翼先生も桃子も顔を真っ赤にして照れていた。





牧場入口近くの喫茶店でお茶を飲みながら、他のメンバーの到着を待った。



「お待たせ~」


手をぎゅっと握り合ったラブラブな真崎君とあゆみ。


そして、大きなリュックを背負った要君。


一人旅が似合わない要君。


リュックが要君っぽくなくて、みんなが笑った。





その後ろから走って来たのは、美穂と彼氏のタカ。


あゆみと真崎君のカップルに比べると、ずいぶん大人っぽいカップルだ。




こうして集まってみると、大人数だ。



団体旅行かと思うような人数で、私達の卒業旅行が始まった。