白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~





「すごい」



「ああ、すげーな」





真っ赤に染まる空を見つめながら、先生はぎゅっと手を握り直す。





「来年は、ちゃんと見ような」



「うん。頑張って帰ってきてくれてありがとう」





先生は、キョロキョロと辺りを見回してから、そっと私の頬に先生の頬をくっつけた。




「また惚れちゃっただろ」



小さな声でそう言ってくれた先生は、珍しく照れくさそうな顔をして、さっさと自転車にまたがった。




「どしたの?先生!」


「何でもね~よ」





照れる先生もかわいくて。




浴衣姿の先生の背中を見つめながら、ゆっくりゆっくり自転車をこぐ。