「先生、ありがと。全然知らなかった」
「そりゃそうだ。内緒にしてたもん」
「みんなに会えて良かった」
「俺もどうしようか迷ったんだけどな。直も、断ったこと後悔してるようだったから」
先生は助手席のドアを開けて、どうぞって優しく背中を押してくれた。
「ここからが本番だからな?アイツらにイイトコ持ってかれた気分だな」
ホテルの駐車場。
懐かしい場所。
打ち合わせで何度も来たね。
先生は、後部座席から天野っちへのおみやげの袋を取る。
そして、黒いジャケットを羽織る。
「それ、似合う~!」
「いちおう、ホテルだからTシャツじゃやばいかなと思って」
白いTシャツの上にジャケットを羽織っただけで、すごくフォーマルな感じになった。
マジで似合う。
好き。
かっこいい。
「見つめ過ぎ……」
先生は呆れたような、照れているような表情で私の頭の上におみやげの紙袋をポンと乗せる。
「だって、かっこいいんだもん」
「はいはい」

